猛暑日に考える~パリ協定の2℃目標とは?SDGsとの関係は?

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猛暑日に考える~パリ協定の2℃目標とは?SDGsとの関係は?

2020年も日本の夏は連日猛暑を記録しています。熱中症など健康上のリスクが高まるほか、農作物の収穫状況にも影響が及ぶ問題です。

「地球の平均気温上昇を2℃未満に保つこと」を目標に掲げるパリ協定。聞いたことはあるけれどなぜ2℃なのかは知らない方や、いつの時点と比較して2℃未満といっているのかわからないという方もいるのではないでしょうか。今回のコラムではパリ協定の2℃目標についてお話します。

パリ協定が締結されたのは、COPと呼ばれる気候変動枠組条約締結国間で年1回開催される国際会議のうち、2015年にパリで開かれたCOP21(21回目の会議)でのことです。

1993年のCOP3(3回目の会議)は日本で開催され、「京都議定書」が締結されたことで有名です。この京都議定書では欧米諸国や日本など先進国の温室効果ガス削減目標だけが規定されており、当時はまだ発展途上国とみなされていた中国やインドなどは含まれていませんでした。

その後、途上国が急成長する時代を迎え温室効果ガス排出量もさらに増大しました。一部の国のみが温室効果ガスの削減義務を負うこれまでの枠組では、世界規模での削減にはつながらないことが課題となりました。各国の思惑や事情が交錯する中、官僚クラスの要人による交渉が行われ、ようやく成立したのが「パリ協定」なのです。

パリ協定は歴史上はじめてすべての国が温室効果ガス削減への取り組みを約束するに至った点が評価されています。2015年12月に採択されたパリ協定は、2016年4月に署名式が行われ日本を含む175の国と地域が署名しました。その後2016年11月4日、採択から1年経たずに発効要件を満たしその効力が発効されました。

このようにパリ協定の採択から発効までがスムーズに進んだ理由のひとつに、COP21と同じ2015年に国連サミットにおいて全会一致で「SDGs」が採択されていたことが挙げられます。持続可能な社会の実現のために気候変動対応は欠かせないものだと世界のリーダーたちが認識していたことが、パリ協定を可能にしたともいえるでしょう。

パリ協定で掲げられている長期目標は以下の通りです。

・世界共通の長期目標として、産業化前からの平均気温上昇を2℃以内に保つこと。できる限り1.5℃以内に抑える努力をすること。(通称:2℃目標)

・そのために、21世紀後半には人間活動による温室効果ガス排出量と、森林などによる吸収のバランスを取れるようにすること。排出量をなるべく早期にピークアウトするため、最新科学を推進し削減すること。

地球の気温上昇は人間が活動することで発生させている温室効果ガス排出量増加が要因である可能性が極めて高いことが、2013年のIPCC(気候変動に関する政府間パネル)第5次評価報告書で指摘されています。

21世紀末までに排出量を実質ゼロにすれば、地球の平均気温上昇は産業革命前の2℃未満に収まる可能性が高い(66%)といわれていますが、そのためには温室効果ガス排出量の抜本的かつ持続的な削減が必要です。
パリ協定の目標達成に対する課題のひとつが、法的拘束力がないという点です。パリ協定では各国が目標を設定し進捗状況をレビューすることや、5年ごとに目標を更新することは決められていますが、目標を達成しなくても罰則はありません。本当に実効性のある国際合意事項になるのかはこれから注目すべき点といえるでしょう。
2030年を達成期限とするSDGsでは、17つのゴールのひとつに「気候変動に具体的な対策を」を掲げています。気候変動の影響は自然災害や食料危機などにも直結します。私たちが安心して暮らし続けるためには、気候変動対応は必須なのです。

30年後、50年後の未来に地球を生きる若者が気候変動に関心が高いのは当然のこと。パリ協定の2℃目標実現、そして21世紀後半の地球環境は各国そして企業や自治体、そして個人の自主的な行動にかかっています。