農業・水産業とSDGs
私たちの食卓が豊かで健康的であるのは農業・水産業のおかげです。この産業は実に多くのSDGsのゴールと関連しています。今回のコラムでは、農業・水産業がSDGsとどのように関っているのか、課題を解決する取組例などを解説します。
自然環境との密接なつながり
農業・水産業は山林や海などの自然環境を基盤に活動を行い、食料生産を担っています。しかしながら、中には持続性を考慮せず無計画に森林を切り開き開発された農地も存在します。そのような場所では生物が住処を追われ多様性が崩壊してしまいます。また土壌汚染が深刻化したり、過度の農薬使用による土壌汚染や農業従事者の健康被害が発生したりといった問題も起きています。
パーム油、カカオ、大豆などは、多くの加工食品に使用されていますが、生物多様性に配慮されていない生産や流通がなされている可能性が危ぶまれる食材です。消費者として自然環境や生物多様性の崩壊に加担しないためにできることは、製品を選ぶ際に認証マークがあるものを選んだり、事前にメーカーや生産者の情報をウェブサイトなどでチェックしたりすることなどがあげられます。
自然環境との密接なつながり
農業・水産業は山林や海などの自然環境を基盤に活動を行い、食料生産を担っています。しかしながら、中には持続性を考慮せず無計画に森林を切り開き開発された農地も存在します。そのような場所では生物が住処を追われ多様性が崩壊してしまいます。また土壌汚染が深刻化したり、過度の農薬使用による土壌汚染や農業従事者の健康被害が発生したりといった問題も起きています。
パーム油、カカオ、大豆などは、多くの加工食品に使用されていますが、生物多様性に配慮されていない生産や流通がなされている可能性が危ぶまれる食材です。消費者として自然環境や生物多様性の崩壊に加担しないためにできることは、製品を選ぶ際に認証マークがあるものを選んだり、事前にメーカーや生産者の情報をウェブサイトなどでチェックしたりすることなどがあげられます。
農地を活かした気候変動への対応
農山漁村地域には豊かな自然資源があります。太陽光、風力、バイオマスなどの再生可能エネルギーを活かしやすい環境に注目し、発電業者と協力して農営型太陽光発電を実施することで低炭素社会への貢献が可能です。農業者は売電収入が下支えとなり安定経営が実現し、営農型太陽光発電による耕作面積の拡大で荒廃農地を解消させるなど、地域農業の持続性を高めることにつながった事例もあります。
農山漁村地域には豊かな自然資源があります。太陽光、風力、バイオマスなどの再生可能エネルギーを活かしやすい環境に注目し、発電業者と協力して農営型太陽光発電を実施することで低炭素社会への貢献が可能です。農業者は売電収入が下支えとなり安定経営が実現し、営農型太陽光発電による耕作面積の拡大で荒廃農地を解消させるなど、地域農業の持続性を高めることにつながった事例もあります。
人口増加と食料危機、対策は食品ロスの解消
国連によると世界人口は現在の78億人から2050年までに97億人に増加すると予測されています。世界の食料需要は人口増加や開発途上国の経済発展に伴い増加します。その一方で、異常気象による天候不順や災害、水資源の制約などによって、食料生産量は減少する可能性があります。食料需要を満たすためには安定的な食料生産を確保すると同時に、食品ロスを減らし不均衡な食資源の分配にバランスをもたらす必要性があります。世界中の人に十分行き渡るだけの食料があっても、人口減少中の先進国に多くが届き、人口増加中の途上国では食料不足が慢性化しているのが現状です。日本では年間12万トン(2017年)の食品ロスが発生しています。
国連によると世界人口は現在の78億人から2050年までに97億人に増加すると予測されています。世界の食料需要は人口増加や開発途上国の経済発展に伴い増加します。その一方で、異常気象による天候不順や災害、水資源の制約などによって、食料生産量は減少する可能性があります。食料需要を満たすためには安定的な食料生産を確保すると同時に、食品ロスを減らし不均衡な食資源の分配にバランスをもたらす必要性があります。世界中の人に十分行き渡るだけの食料があっても、人口減少中の先進国に多くが届き、人口増加中の途上国では食料不足が慢性化しているのが現状です。日本では年間12万トン(2017年)の食品ロスが発生しています。
人手不足と高齢化
日本の農家人口は2010年に650万人でしたが、2019年には398万人に減少。農家人口に占める65歳以上の高齢者の割合は34.3%から45.2%まで上昇しました。食料の安定供給を確保し、農業が持続的に発展するためには、新規就農者を確保して育成することが課題です。農林水産省は新たに農業に就きたい人を対象として、営農に必要な技術や経営ノウハウの習得、補助・融資による農業機械や施設整備への支援などを実施しています。さらに新型コロナウイルスの影響で海外から渡航制限がかかり農業人材確保が困難になりました。これを受けて、雇い止めが発生している観光業や飲食業などの人材の援農、就農を支援する施策を農業繁忙期に向けて行っています。
日本の農家人口は2010年に650万人でしたが、2019年には398万人に減少。農家人口に占める65歳以上の高齢者の割合は34.3%から45.2%まで上昇しました。食料の安定供給を確保し、農業が持続的に発展するためには、新規就農者を確保して育成することが課題です。農林水産省は新たに農業に就きたい人を対象として、営農に必要な技術や経営ノウハウの習得、補助・融資による農業機械や施設整備への支援などを実施しています。さらに新型コロナウイルスの影響で海外から渡航制限がかかり農業人材確保が困難になりました。これを受けて、雇い止めが発生している観光業や飲食業などの人材の援農、就農を支援する施策を農業繁忙期に向けて行っています。
以上のように、農業・水産業は健康、気候変動、環境保護、エネルギー、貧困、人口増加などSDGsの多くのゴールと密接に関っています。それと同時に私たちの日常生活や健康にとっても重要な産業です。